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2~3年後に岩手にUターンして、地域振興につながる事業を仕掛けたい人を募集!

一般社団法人いわて圏 / プロジェクトマネージャー

インタビュー記事

近年、都市部への人口流出などによる地方の衰退は、全国各地における悩ましき問題となっています。一般社団法人いわて圏では、そうした課題と積極的に向き合い、いかにして地域を盛り上げ、魅力を創出できるか、日々考えをめぐらせています。働くメンバーの立場も、関わり方もさまざま。多様な人材がいるからこそ、それぞれの強みを生かしたアプローチができる。岩手の未来が、ここから変わる。そんな希望が、この団体には詰まっています。

一般社団法人いわて圏 事業概要

2018年設立。岩手県の地域活性化に向けたさまざまな公的プロジェクトを展開。「企画・コーディネート」「広報・PR・編集」「クリエイティブ」の3つを事業の柱に、多角的な視点から地方が抱える課題解決に取り組む。また、拠点オフィスを持たないワークスタイルや、他の仕事との複業で業務を請け負うメンバーが在籍するなど、型にとらわれない多様な働き方を実現している。

高校時代に抱いた地域衰退の危機感が原点

地方創生という言葉が、至るところで叫ばれる昨今。

人口減少、少子高齢化といった、地域課題を解決しようと、日本全国ではさまざまな取り組みが展開されています。

一般社団法人いわて圏は、そうした課題に対し、多角的な視点で向き合い、地域の新たな魅力を創出する団体です。

2018年にこの団体を立ち上げた、代表理事の佐藤柊平さん。一関市大東町出身の佐藤さんが、地方創生に興味を持つようになったのは高校時代までさかのぼります。

「写真を撮るのが趣味で、中学生の頃から、父親の一眼レフを借りて、地元のいろいろな景色を記録していました。でも、高校2~3年生になって、昔はにぎやかだった街が、だんだんと衰退しているのがファインダー越しで分かるようになったんです。そこで問題意識を持つようになったのが始まりでした」

この街の景色を守りたい。でも、写真で訴えるだけでは、何も変わらない。

そう思い立った佐藤さんは、高校卒業と同時に一度岩手を離れることを決断します。

 

東京の大学で地方創生を勉強し、卒業後は地域プロモーションを手掛ける会社に就職。

そこでは主に自治体向けの移住サービスの案件を担当し、全国各地を飛び回る毎日でした。

「当時、いろいろな地域の自治体で地方創生関連の予算が付いていましたが、結局、仕事を受注するのは東京の会社というケースがほとんど。東西南北、どこに行っても『地元にこういう組織があったらいいのにね』という声をたくさん聞くんですよ。岩手でもそういう組織が必要な時期に来ているんだなと感じましたし、だったら自分が岩手に戻って、全国各地で培ったネットワークを岩手に投入できればと思いました」

会社を退職し、2017年に岩手へUターンした佐藤さん。

地元である一関の観光組織「一般社団法人世界遺産平泉・一関DMO」の発足と同時に、ディレクターとして従事。

地方創生にまつわる事業を行いながら、2018年に「一般社団法人いわて圏」を設立し、その動きを本格化させました。

「岩手県」と読みが同じユニークな社名。

「圏」の字には、いわての輪を広げていきたいという思いが込められています。

 

地方創生の鍵は「関係人口」の創出

いわて圏が掲げるミッションは「見たい景色をつくる」。

岩手で暮らす人。岩手を故郷に持つ人。岩手に興味がある人。

岩手と関わる全ての人々が、自分の頭の中で描いた地域のイメージをそのまま映し出せる、そんな未来の実現を目指しています。

「東京にいた時から、岩手出身の人や、岩手が好きな人たちが周りにたくさんいて、そういった人たちをもっと岩手と接続させたいと思ったのが、いわて圏を設立しようと思ったきっかけです。人口減少を止めるのは難しいかもしれない。だけど、いわゆる『関係人口』の人たちが岩手に携われるような仕組みが整備されていけば、地域の産業、文化は維持できるし、さらに面白い地域にアップデートできるはず。僕らがやっている仕事は、そこにつなげてくためのアプローチだと思っています」

 

いわて圏が行う仕事は、「企画・コーディネート」「広報・PR・編集」「クリエイティブ」の主な3つに分けられます。

 

たとえば「企画・コーディネート」であれば、地方創生にまつわる企画のプランニングや新規事業のプロデュースを担当したり、「広報・PR・編集」であれば、地域おこし協力隊の募集、それに伴うキャンペーンなどのお手伝いをしたり、「クリエイティブ」であれば、誌面やWEB媒体による広報制作物の制作、ディレクションを行ったり……。

メンバーたちがそれぞれの強みを生かしながら、外部の事業者たちと協働し、岩手を盛り上げるためのさまざまな活動を行っています。

その中で、代表的な取り組みの一つが「遠恋複業課」。

岩手と離れた場所に住む人が、自らのスキルを生かし「複業」という形で企業や団体に関わるきっかけ作りを行うプロジェクトです。

まるで遠距離恋愛のように、岩手とお付き合いする関係性を築いていこうという思いで名付けられました。

「遠恋複業課を立ち上げた理由として、岩手に興味がある人を複業という形でマッチングさせることで、もっと多くの関係人口を創出したいというのがありました。岩手のために何かしたいという人たちと、それらを必要とする人たち、すなわち外のニーズと中のニーズがつながって、一つのパッケージができあがったのは、とてもうれしかったです」

この事業は、岩手県庁をも巻き込んだ、官民一体のプロジェクトとして展開。

いわて圏では企画の立ち上げから、そのコーディネート役まで担当し、これまで多くの人たちをマッチングさせ、地域活性化につなげてきました。

 

多様な働き方で地元に貢献誓う

いわて圏には、決まった時間、決まった場所で働くというルールが一切ありません。

そのため、メンバーの住んでいる場所も、働き方もさまざま。

中にはそれこそ「複業」という形で、本業を行う傍ら、いわて圏の事業に協力しているメンバーもいます。

 

現在、東京都内のIT会社に勤務にする平賀実莉さんは、昨年6月からいわて圏のメンバーになった1人。

「大学で上京してきたのですが、いつかは自分が培った経験やスキルを生かして地元に貢献したいという思いがずっとありました。ただ、それを、自分は東京の企業に勤めている中でどうやって実現したらいいんだろうと思っていました」

「そんなときに、代表の佐藤さんのSNSをのぞいたら『複業メンバーを募集しています』という投稿をたまたま見つけたんです。自分に何ができるか分からないけど、『とりあえず一旦飛び込んでみよう!』と思って、連絡を入れさせていただきました」

現在勤務するIT会社では、人事の新卒採用における業務などを担当しているという平賀さん。

チームリーダーを任されるなど本業でも順調なキャリアを重ねていますが、複業に理解のある会社だったこともあり、自らの可能性を広げようと、新たな一歩を踏み出しました。

いわて圏では、これまでの経歴を生かして採用関連の業務を担当するなど、幅広い仕事を行っているとのこと。

 

「いろいろな人と打ち合わせする機会があるのですが、やはり岩手と東京では空気感が違っていて、それに戸惑うこともあります。でも、岩手には岩手なりの良さがあるので、都市圏にいて感じるエッセンスをそのまま持ってくるのではなく、それぞれの人やチームと接していく中で『このアイディアは生かしたほうがいいよね』『この仕組みは変えていったほうが良いよね』といったように、気付いた部分をうまく取り入れながら、良い相乗効果を生み出していければと思っています」

と話す平賀さん。遠くに住んでいるからこそ、違った視点で地元に貢献していきたいと意欲を見せます。

 

「岩手愛」で地域の未来を変えていく

佐藤さんは、当面の目標をこのように話します。

「まずは岩手の中における『いわて圏』のポジションを確立させること。さまざまな地域の自治体さんやクライアントさんが、岩手の地域振興に関わる企画をするときに『まずはいわて圏に相談しよう』と一番初めに声を掛けてもらえる、そんなハブとなる存在になりたいです」

とはいえ、まだまだ始まったばかりの、いわばベンチャー企業。

いわて圏では、これから共に岩手を盛り上げてくれる新たなメンバーを心待ちにしています。

そんな佐藤さんは、いわて圏で求める人材について、3つのポイントを挙げます。

「1つ目は、何事にも夢中になって全身全霊を捧げられる人。2つ目は、自治体やクライアントの方々などと意見をぶつけ合いながら、発注者と受注者という立場を越えた関係性を築ける人。そして3つ目は、これまで培ってきた経験とスキルを生かし、自分の武器となる能力を持った人。各プロジェクトのリーダーとして、関わる全ての人たちの中心に立ちながら、ときにみんなを引っ張ったり、ときに伴走したり、ときにフォローしたり、そうした変幻自在な動きができる人だとうれしいですね」

また、いわて圏のメンバーには、あふれんばかりの「岩手愛」も大切だと口にする佐藤さん。

「岩手が好きだ」という純粋な郷土愛だけでなく、『ここがダメなんだ』といったアンチテーゼを掲げ、現状の課題や問題の解決に向けて深く追求する、そんな精神を持つことも大切だと話します。

「ある種、ニッチであり、専門性が高い仕事だとは思いますが、門戸はいろんな人に開いています。岩手を面白くしたい、もっと岩手を盛り上げたい、そうした気持ちが根っ子にある人であれば、ぜひこちらを尋ねて、一緒に仕事をしてみたいですね」

地域の課題を自分たちの手で解決し、地域をより盛り上げていく。

佐藤さんをはじめ、いわて圏のメンバーは、そうしたやる気と気概にあふれた人たちばかりでした。

 

岩手のために何かしたいと思ったら、まずは「いわて圏」を訪ねてみても良いかもしれません。きっと岩手愛溢れる仲間が待っているはずです。

 

 

(取材:郷内和軌)

※撮影時はマスクを外していただきました。