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ものづくりから地方を、日本を元気に。

株式会社O2 / 製造業プロジェクトマネージャー

インタビュー記事

製造業が再び活力を取り戻すことで、日本を、地方を元気にしたいと、製造業に特化したコンサルティングを展開する株式会社O2。

現在、東京都港区にオフィスを構えるが、クライアントは関東圏のみならず全国各地にいる。

新型コロナウイルスを契機に、働く場所の多様化も更に進み、多くのコンサルタントがリモートワークで勤務し、地方在住者も多く在籍する。「ものづくり」に情熱を注ぎ、日本を元気にする人材を日本全国から広く集めたいと、今回インタビューをすることとなった。

株式会社O2 事業概要

東京都港区に本社を置く製造業特化のコンサルティング会社。「日本を元気にするには、ものづくりを元気にすること、地方を元気にすること」と製造業向けのコンサルティング業務を行う。

特徴的なのが、コンサルタントの多くが製造業、しかもエンジニア出身であること。そのため、設計や開発などの現場ノウハウもある。「口も出すが、手も出す」というように、ほかのコンサルティングファームではあまり見られない支援体制をとっている。経営から現場まで、計画から実行までのすべてに関わることで、より強固なコンサルティングを行っている。製造業がサービス業化していく、つまりモノからコトへシフトチェンジしていくなかで、製造業のノウハウを事業化するという形でO2もそれに貢献している。

クライアントには大企業から地方の中小企業までおり、場所も全国各地のオフィス、工場とさまざま。そのため、多くのコンサルタントが東京のオフィスではなく、全国各地で活躍し、地方在住者も多い。

製造業に特化したコンサルティングを展開している株式会社O2。

その創業の根底にある想いは、現代表取締役社長CEOの松本晋一が若いころにインドでバックパッカーをしていた経験のなかにある。松本がインドの街中で見かける自動車や電化製品。そのなかには多くの日本製の製品があった。

松本にとっては、当たり前の光景であり、日常的に使っていたものだった。しかしインド人にとっては違った。松本が「あの車は家にあるのと同じだ」と子どもたちに言うと、「すごい。お金持ちなんだ」と言われたそうだ。

そのとき松本は「日本の当たり前は世界では価値となるんだ」と強く思ったという。しかし、1990年代から始まる日本経済の低迷、その大きな要因のひとつが製造業の輸出競争力が低下したことだと指摘されることもあるように、日本の製造業は長い間、元気がない。

松本はインドで日本の製造業へ興味を持ち、大学では文系の学部で学んでいたが、卒業後には大手化学メーカーに就職した。そののち、製造業向けのシステム会社に転職したが、「提供」だけでは製造業の元気を取り戻すことにはつながらないと考えた。

そこで立ち上げたのが、製造業に特化したコンサルティング会社O2なのだ。

O2の支援領域

 

製造業が地方を、国を元気にする

日本製が世界で価値となるような状況を取り戻したい。その想いがO2にはある。それがさらに広がっていく形で、O2のビジョンはできあがっている。

「日本人を元気にする。日本の製造業を元気にする。地方や国を元気にする」というのがそれだ。

製造業を元気にすることは、地方創生にもつながり、国の活力を取り戻す。それにより、日本人が元気になるのだ。だから製造業を支援することは、日本を元気にすることでもあるのだ。

「製造業を志望し、飛び込む人たちというのは、ものづくりに価値を感じている想いの強い人たちが本当に多いんです。実はそれが日本の製造業の強みだと思っています」と語るのは、O2取締役の勝見靖英だ。

「純粋で貢献意欲の高い人材が多い。それは現在の製造業においても一番の強みであり、言ってみれば希望だと思います。それに対して、危機意識が低いというのが弱みです。いわば大企業病とも呼べるものでしょうか。保守的な体質を変えられないことです。加えて、例えば売上が下がっていてもそれに鈍感であったり、個人で言えば、ひとつの企業で上に昇ることが目標になってしまっていること。そういう旧態依然とした現状が現在の衰退を呼んでいるのではないでしょうか」

 

口も出すが手も出す

旧態依然とした企業が内部から変わるのは想像以上に難しいことだ。そこで必要なのが、客観的かつ俯瞰的に会社を見ることのできる第三者的視点だ。

勝見は自分たちコンサルタントを「改革、変革の請負人」という。企業を変革していく。では、経営ビジョンや方針を決めていく、仕事でいえば上流の部分にだけ参加するのかといえば、O2においてはそうではない。O2の強みは「現場」も請け負うことができることなのだ。

O2のコンサルタントのうち、約8割がメーカーでエンジニアとして開発、設計、生産技術などに従事していた経験を持つ。だから設計、生産の現場のコンサルティングもできる。

「製造業のコンサルティングは、ビジョンの策定などと生産現場を連携させることも大事です。現場のことも考えて、現場が最大限価値を生むことができるアプローチで改革をすすめることができることが必要となるのです」

現場を知っているコンサルタントが揃うO2にはそれができる。

実際に経営戦略から現場までをも網羅するO2のアプローチは、海外を含め多数のM&Aを展開する某機械部品メーカーのコンサルティングを行った際にも活かされた。

そのプロジェクトは、属人的だった開発・設計・生産技術といったモノづくりの根幹部分のプロセスを可視化/汎用知化し、M&A後の「設計思想」を統合、グループ企業へ業務移管を短期間で実現するというもの。経営課題としての優先度も難易度も高い取り組みだった。

そこでO2に期待されたのは、ベテランへの依存度が高く誰も標準化に成功しえなかった領域にエンジニア出身者のコンサルタントが入り込み、経営戦略を浸透させながら現場から変革を実現させる事。結果は無事成功。コンサルタント嫌いで有名な当該企業からその後もコンサルティングの依頼を頂いているそうだ。

「私たちは戦略などに対して口を出すという仕事もしますが、現場で『手を出す』こともできるコンサルタントです。本当に図面を引いてモノを創れる人材がサポートしていく。それによって経営戦略を現場から実現していく。改革のすべてに関わることができるのです」

 

O2は技術の可視化にも力を入れている。製造業では、長年の経験という大きな財産を、個人の知見としてしか蓄積してないことが多い。

それらをきちんと「伝わる形」で形式知可していくのだ。そうすることで、知財、知恵の属人化を解消し、誰もが共有できる形にしていく。さらにはこれらにデジタルを掛け合わせた、日本流DXを推進している。

 

人を大事にするコンサルティング

今回インタビューをしたコンサルタントのひとり、Consulting & Engineering Div.のマネージャー、寺田武史も元エンジニアだ。小さな頃からものづくりが好きで、高校からずっと理系畑。前職では医療機器開発メーカーで、電気系の開発の仕事を7年ほど経験した。

「技術を通して社会に貢献するというのはとてもやりがいがありました。ただし一方で目の前の仕事ばかりに目が行ってしまうのは事実です。もっと価値を広く提供する仕事があるはずと思うようになったのです。自分たちの会社が抱えている問題は当然ほかの会社にもある。それを解決していくことで、製造業全体がもっとよくなると思いました」

それでO2にコンサルタントとして入社し、製造業の現場をより生産的な場にすることを仕事とした。エンジニアとして活躍してきたから、当然現場の技術的な部分にも強い。しかし彼の口から出てきたのは「人を中心に考えると技術はもっとよくなる」というものだった。

「一例として、製造業の問題の多くは、情報の共有ができていないことに起因して、コミュニケーションやコラボレーションがうまくいかないということが挙げられます。伝えるという努力はしているのですが、それがうまくいかない。それを『伝わる形』まで変換して、開発も営業も製造もわかる、共通の言葉を持つようにする。O2は技術、開発の部分に強い人物が多いので、現場に経営方針を伝えることもスムーズにできます」

寺田は自身がエンジニアとして働いてきた経験からも、この問題が起こる背景や悩みが、身に染みてわかるという。同時にこれらが解決した時に会社が前に進むイメージも、強く持っているのだ。

「O2のコンサルタントは、企業を数字だけで見るのではなく、そこで働く『人』の気持ちに寄り添って仕事をしている人が多いと思います。例えばいきなりデジタルツールを導入して、明日から運用しますといっても、現場の人はついてこられない。その現場にある文化や歴史に沿ったツールや導入、運用方法をいっしょに考えないといけないんです。何度もいいますが、やはりこれは現場がわかっている人間だからこそできることだと思います」

それに加えて、O2社内でも「人」という視点は重要視されているという。ベーシックなコンサルティングスキルの研修を何度も受けられるといったスキルアップを後押しする体制もそのひとつ。「ほかにも、社員同士、横ぐしで、情報共有、事案相談などができる仕組みもあります。だからより発展的に仕事に取り組むことができています」と寺田は話す。

 

地方が日本を元気にする

もうひとり話を聞いた。Consulting&Engineering Div.のシニアマネージャー、尾形佳則は山形県在住でコンサルタントとして働く人物だ。

監査法人で16年ほどのキャリアを歩み、2007年からその監査法人の山形オフィスに移籍した。出身は米沢市、地元へ帰ってきた形になる。そこで働くうちにO2の松本と会う機会があった。「地方の製造業をよくしたいと熱くしゃべっていました」と当時のことを笑いながら話す。

「私も山形で働いていますし、地元ですし、この地域をよくしたいと考えていました。監査法人で働いていた当時のお客様の業種は様々でした。そのなかで地方を支えるというキーワードで考えれば、その産業は第二次製造業、あとは第一次農業が大事だと思っていました。そのときに松本と話をして、O2でコンサルタントとして地方の製造業に関わることになりました」

それまで尾形は製造業に特化して仕事を行っていたわけではなかったが、松本と話をして「地方を元気にして、日本を元気にする」という共通した想いがあることを知った。それでO2に入社することになった。

尾形はこれまでのキャリアを生かし、経営理念やビジョンの策定、経営方針など、企業の上流部分でのコンサルティングを主に担当している。

「現在担当しているのは、大手企業ではなくいわゆる中小企業が多いです。関東のクライアントもいますが、多くは山形、東北のクライアントです。地方、中小企業にとってみると、コンサルティングに払う金額はかなり大きなものになってしまいます。だから今後もっと多くの企業に活用してもらうために、プラットフォームを作っていきたいと考えています」

現在O2全体のクライアントは大手企業も多い。ただし、未来展望として話してくれたのは地方への拡大だ。大手企業との仕事の中で得た最新の知識、ノウハウを汎用化し、地方や中小企業にも省力化して取り入れていく。そうすることで、製造業を元気にするための相乗効果は大きなものになる。

東京だけでなく、郊外、地方の会社のコンサルティングを行うなら東京に住んでいる必要はない。むしろ、地方を元気にするというビジョンに共感できる人材は地方にこそいる。だからこそ地方採用は同社のこれからの重要な採用戦略だ。寺田も現在は長野県松本市に住みコンサルタントとして活躍している。

「地元は神戸なのですが、信州が好きで移住しました。O2はリモートでも仕事ができるので、その点はすごくいいと思います。もちろんクライアントのもとへ行く必要はありますが、それ以外はリモートでの仕事になります。だから仕事以外の日常の生活は自分の思ったようにできています」

「私は地域の活性化にも興味があるので、仕事がないときには地域コミュニティに参加したりして、地域との繋がりを大事にしています。個人的な趣味のバックカントリースキーも近場でできますし、人生をより豊かにするためにはすごくいい職場だと感じています」とまさにワークライフバランスの実現を実感しているという。

尾形も「仕事はやりがいに満ちていますが、もちろん忙しいです」と苦笑いしつつも、「休日や空いた時間を自然豊かなこの山形で家族と過ごせるのは本当に充実していると感じます。空気が澄んでいる空間に出ると気持ちもリラックスして、仕事もはかどるんですよね」と地方在住ならではのメリットを、取材チームも気持ち良いと感じる丘の上で話してくれた。

 

O2のビジョンは「日本人を元気にする。日本の製造業を元気にする。地方や国を元気にする」。製造業に活力を取り戻して、地方活性化に貢献し、日本を元気にする。とても壮大なビジョンだが、だからこそやりがいがある。

ただし、ビジョンの最初の言葉は「日本人を元気にする」と「人」に焦点が当たっている。そのためには、自分たちが最初であるべきなのかもしれない。

仕事も生活もより豊かで充実したものにする。それを実現できる環境があるのがO2という場所なのだ。

 

日本の当たり前が世界では価値になる。日本の製造業を海外から眺めたときに、多くの人がそう思った時代は、今や過去のものとなりつつある。

だからこそ、O2が見据える未来は、製造業が元気な世界である。製造業が復活する波は、地方を活性化し、日本という国全体を元気にする、大きな影響を持つ波なのである。

O2が見据える先には、活力に満ちた日本の姿があるに違いない。